最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2013.05.13

Vol.62 | パリのファストフード・ハンバーガー

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フランスのファストフードといえば、ジャンボンブール(ハム&バター)に代表されるサンドウィッチを筆頭に、クレープ、バゲットの中央にソーセージをねじ込んでたっぷりチーズをかけて焼くホットドック辺りが定番だった。が、今のパリは違う。このところ最も熱い視線を浴びているファストフードは、ハンバーガーだ。

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ちょっとしゃれたカフェやレストランで以前からメニューに載っていたハンバーがだが、最近注目されているのはバンズや肉、野菜やソースなどに上質食材を使って仕上げたグルメバーガー。高級レストランや高級ホテル、上質なサロン・ド・テなどがこだわりのグルメバーガーを提案するようになったと同時に、グルメバーガー専門店という、今までパリに存在しなかった店まで誕生するようになったのだ。

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パリ中心部にある「ブレンド」は、バーガー専門店の中でも最も評判の高い一軒。
長期熟成牛肉でとても有名な肉屋から仕入れた肉でパテを作り、ソースやバンズも自家製。5種類ほどの牛肉パテバーガーに加え、豆腐のパテやチーズを主役にしたヴェジタリアンバーガーや仔牛肉のバーガーなどを提案している。2012年1月のオープンと同時に高い注目を浴び、ランチ時には店の外に、小さな店のテーブルが空くのを待つ人々の列が出来る。

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店ではなく、移動屋台式のトラック・バーガーも登場。
2009年に誕生した「ル・カミオン・キ・フュム」は、曜日ことに異なるパリ市内のいくつかの場所にトラックを運び、肉が焼けるいい匂いを周りに放ちながら屋台でハンバーガーを販売。これが大評判となり、2012年には「カンティーヌ・カリフォルニア」という、別ブランドのトラック・バーガーも誕生。同じように、パリ市内の数箇所で、曜日代わりで移動して屋台でバーガーを作る。この2つのトラック・バーガーのオーナーは、いずれもアメリカ人。アメリカ人のソウルフードであるハンバーガーの魅力を知り尽くした彼らが提供するバーガーはいずれも大人気で、先にあげた「ブレンド」同様、昼時にはトラックの前に長い長い列。13時過ぎには売り切れゴメン!のことも。確実にバーガーにありつくには、12時前に行くのがお勧めだ。

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パリのファストフード・シーンの主役のひとつに躍り出たハンバーガー。最近は、バーガー人気に続け!とホットドックに注目が集り始めている。専門店や、オリジナリティあふれるホットドックを提案するトップシェフたちもいて、今後バーガー同様に流行りそうだ。

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お菓子の世界でも、チーズケーキやカップケーキといったアメリカンフードが人気になってきている昨今だが、そこはやはり美食の国フランス。上質の食材で勝負するグルメなアメリカB級グルメを楽しめるのが嬉しい。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

ブレンド
http://blendhamburger.com/
ル・カミオン・キ・フュム
http://www.lecamionquifume.com/
カンティーヌ・カリフォルニア
http://www.cantinecalifornia.com/
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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