最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2013.04.15

Vol.61 | 「レクレール・ド・ジェニ」クリストフ・アダンのエクレール

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フランスのパティスリーの定番といえば、ミルフイユ、サン・トノレ、タルト・オ・フリュイ、パリ・ブレストなどの名前とともに必ずあがるのがエクレール。歩きながらも食べられるその手軽さからも、パティスリーのベスト・セラーといえる存在だ。

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パリで、“エクレールの名店といえば?”と聞けば、ここ数年帰ってくる答えは「フォション」だっただろう。同店で、ピエール・エルメやセバスチャン・ゴダールの薫陶を受けたクリストフ・アダン。2001年にシェフになって以来、次々と美しさとおいしさ、そして意外性を兼ね備えたエクレールの新作を発表。2007年からは、“Weekend Des Eclairs(エクレールの週末)”というイベントも毎年開催。フォションのショーケースを、過去のエクレール・クリエーションで埋め尽くして販売し、非常に高い人気を博した。
エクレールの王様的存在となったクリストフ・アダン。2012年にフォションを辞し、独立。「アダンズ」というサロン・ド・テ&トレトゥール&パティスリーを手がけているが、昨年12月、彼のスペシャリテであるエクレールを主役にした新コンセプトブティック「レクレール・ド・ジェニ」を誕生させた。

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古いパリの町並みが残るマレ地区に誕生した小さな店。そこに並ぶのは、色鮮やかでフォルムもチャーミングなエクレール。常に12種が並び、プラリネ、グラン・クリュのショコラ、塩バターキャラメルなどの定番に加え、オレンジ&ピスタチオ、ミルクチョコレート&フランボワーズ、レモン&ユズ&メレンゲ&シュトルーゼルといったオリジナルテイストが揃う。ヴァレンタインや復活祭などの祭事特別ヴァージョンなども提案している。
定番風味ももちろんお勧めだが、長年エクレールを研究してきたクリストフならではの、クリエーション系の味もぜひ試してほしい。
いずれも色合い美しく、形にちょっと変化をつけたものもあり、見た目にも楽しく、エクレールという1種類のパティスリーだけを見ている気がしない。

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「子供の頃から大好きだったお菓子で、想像力を刺激してくれるエクレール。今までに100種以上の味を作ってきました。この店を立ち上げてからも30ほどをクリエイト。より素材にこだわったハイエンドなエクレール作りを目指すと同時に、ラボが地下にあり常にフレッシュな状態で店に並べられるので、よりクリエーションの幅が広がっています」とクリストフ。

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主役のエクレールのほか、トリュフ型のガナッシュやプラリネ、キャラメルなどが入ったボンボン・オ・ショコラも12種並べる。
エクレールもショコラも、オリジナルのかわいらしいボックス入り。贈り物心をくすぐるラッピングだ。

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シュー・ア・ラ・クレーム、カップケーキ、チーズケーキなど、数年来ひとつのパティスリーに特化した専門店が誕生しているパリだが、「レクレール・ド・ジェニ」もその一環。パティスリー界を代表するトップパティシエならではの、モノ・ガム(単一種)の世界の奥の深さを感じられる、魅力的なブティックだ。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

L’Éclair de Génie
14 rue Pavée 75004 Paris
01 42 77 85 11
10時30分~19時30分
月休
http://www.leclairdegenie.com/
※新規ウィンドウが開きます
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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