最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2013.12.16

Vol.69 | 第19回サロン・デュ・ショコラ・パリ開催!

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10月30日~11月3日、第19回サロン・デュ・ショコラ・パリが開催された。
今や、世界20都市で開催されている大人気のショコラの祭典。今年はまた一段と会場が大きくなり、ショコラ会場と別にコンフィズリー会場が設置され、総計20000㎡のサロンに、世界中からショコラを扱うメーカーが250社勢ぞろいした。

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パリはもとより、フランス各地、そして世界中からトップショコラトゥリーが集まるサロン。今年の新出店の注目は、2012年末に誕生した「ラデュレ」のショコラブランド「レ・マルキ・ド・ラデュレ」や、パリの名パティスリー「ユゴ&ヴィクトー」、ル・コルドン・ブルー神戸校で教鞭をとった後フランスに戻り、ブルターニュ地方に店を開いたMOFショコラティエ「ブルノー・ル=デルフ」など。

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日本からは、毎回高い評価を得ている小山進の「ESコヤマ」や、初出店となる辻口博啓の「ル・ショコラ・ド・H」などが注目を集めた。

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29日の前夜祭は、トップショコラティエたちが一堂に会し、このサロンの名物、ショコラのファッションショーが華々しく開催。ジャン=ポール・エヴァン、フランソワ・プラリュ、フレデリック・カッセルらが、ファッションデザイナーと組んで作り上げた甘いドレスを、ミス・フランスやテレビの人気アナウンサー、スポーツ選手などの超名人が身に着けて舞台を歩き、会場を沸かせた。

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デモンストレーションには、ピエール・エルメ、小山進、ジャン=ポール・エヴァンらが登場し、それぞれのショコラの世界観を披露。コンファレンスでは、カカオの大地、ショコラ&アート、ショコラ&歴史、ショコラ&流行などのテーマで、多角的にショコラの魅力が語られた。
会期中に行なわれた、高名なショコラ愛好会「クラブ・デ・クロクール・デ・ショコラ(CCC)」によるショコラ・アワードでは、”今年の最優秀12ブランド“が発表され、ジャン=ポール・エヴァン、パスカル・ラック、ファブリス・ジロットらと並び、日本人では青木定治と辻口博啓がこの名誉ある賞を獲得した。

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今年は、2年ごとに開催される、サロン・デュ・ショコラ・プロフェッショネルも10月28日~30日に開催され、クーベルチュールや、機械、パッケージなどショコラ関連のメーカーが集い、あちらこちらで活気に満ちた商談が行なわれた。
こちらのサロンでも、ワークショップやデモンストレーションが催され、フレデリック・ボー、レジス・マルコン、フィリップ・ラベといったトップショコラティエ&料理人たちによるアマチュア及びプロ向きのイベントに、多くの人々が集った。

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同サロンの一環で、ショコラ職人の最高峰を選出する、「ワールド・チョコレート・マスターズ」も開催。第5回目となる今回のテーマは、“アーキテクチュー・デュ・グー(味覚の建築)”。19カ国から国内予選を勝ちぬいた代表が参加し、ピエスモンテ2点、ボンボン2種、アントルメ1種、デザート1種を作り上げ、ショコラの技術を競い合った。優勝は、イタリア代表のダヴィデ・コマスチ。日本代表、「サロン・ド・ロワイヤル」のシェフ・パティシエ垣内晃宏は、ベスト5にノミネートされた。

アマチュアからプロまで幅広い注目を集めるサロン・デュ・ショコラ。今から、来年の開催が楽しみに待たれる。
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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