最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2013.01.21

Vol.58 | ワイン試飲イベント「ル・グラン・テイスティング」

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多くのワインサロンが開催されるフランス。とりわけ秋から冬にかけての時期は、大小さまざまなワインサロン&試飲会が目白押し。中でも「ル・グラン・テイスティング」は、そのステイタスの高さでとりわけ注目度の高いサロンだ。
毎年12月初旬の二日間開催される試飲イベントで、第7回目の今年は11月30日と12月1日。ルーブル美術館地下にある見本市会場で開催された。

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その魅力はなんといってもワインの質の高さ。参加ドメーヌは350ほどと、決して膨大な数ではないがその顔ぶれがすごい。ボルドーなら、コス・デストゥルネル、ベイシュベル、フィジャックといったグラン・クリュのシャトーが顔を見せ、シャンパーニュなら、モエ・エ・シャンドン、ペリエ・ジュエ、ローラン・ペリエ、テタンジェ、ボランジェ、リュイナールといった大手トップグランドが勢ぞろいして定番キュヴェのみならずハイエンドキュヴェの試飲まで楽しめるのだ。
入場料は、1日25ユーロ、2日30ユーロと決して安くはないが、試飲できるワインの充実度を鑑みれば納得の値段といえよう。

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試飲に加え、カンファレンスルームではテーマに沿ったワイン試飲“マスター・クラス”、ワインと料理のマリアージュを提案する“アトリエ・グルマン”、ワイン産地のテロワールや作り手にフォーカスする講習会“エコール・デ・テロワール”も平行して提案。

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マスター・クラスは“ボランジェのロゼシャンパーニュ5種の試飲”、“サン・テミリオン2002年のグラン・クリュ・シャトー5軒の飲み比べ”、“クリュッグ・シャンパーニュ5種試飲”、“テタンジェのハイエンドキュヴェ、“コント・ド・シャンパーニュの4つの年の飲み比べ”など、非常に魅惑的な内容の試飲会が20ほど開催。

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アトリエ・グルマンでは、15人ほどのシェフたちがいろいろなドメーヌと組んで、料理とワインの素敵な相性を提案。レストランガイド「ゴーミヨ」で“今年のシェフ”に選ばれたばかりの、シャングリ=ラ・パリのエグゼクティヴシェフ、フィリップ・ラベによる“リ・ド・ヴォー料理&ボルドーのシャトー・ソシアンド・マレ”。シャンパーニュ地方の名料理人フィリップ・ミルによる、“フォア・グラとアカザエビ料理&シャンパーニュとボルドーの組み合わせ”など、大充実の内容だ。
これらの講座は20ユーロ前後の別料金だが、詳細なテーマに沿ってワインを深く勉強できるとあって、毎年大人気を博している。

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会場には、生牡蠣やシャルキュトリーなどの軽食スタンドも用意され、朝から夜までひたすらワインと向き合える環境。アマチュア的にワインの味見を楽しみに来るのもよし、プロ的にしっかりワインの勉強を目的に来るのもよし。 いずれにしても、上質なワインの魅力と生産者たちの情熱に触れられる、貴重な体験が出来るだろう。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

Grand Tasting
http://www.grandtasting.com/index.php?page=accueil
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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