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最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-
Date:2012.03.12
Vol.48 | ミシェル・ロスタンの「黒トリュフのサンドウィッチ」
フランスを代表する食材の中でも、ひときわ食通たちの心を捉えている、黒トリュフ。キノコの仲間で、樫の木の根元周囲に自然発生する。メラノスポラムという種が最上だが、栽培が極めて難しい上に生産量が少なく、その値段は非常に高価。キロあたり数百ユーロ~数千ユーロ(数万円~数百万円)。質や大きさや時期、地方のトリュフ市かパリの高級食材店か、でかなりの幅が生じる。いずれにしても、極めて高価な食材であることに間違いはない。
12月~3月がこの黒トリュフのシーズンだが、この時期には、フランス中の高級レストランで、料理にトリュフが使われる、といっても過言ではない。仕上げに薄切りや千切りを散らしたり、パテの中に忍ばせたり、丸ごとパイ皮で包んで焼きあげたり、、、。黒トリュフが持つ独特の香りは、フランス人を魅了してやまないのだ。
代々続く名料理人一家の5代目。妻や二人の娘らとともに、パリに、旗艦店「ミシェル・ロスタン」(1980年来ミシュラン2つ星)と3軒のビストロ系レストラン、郊外に2軒、ドバイにも1軒レストランを経営する重鎮シェフだ。
黒トリュフの季節になると、南仏にある黒トリュフの最高の産地リシュランシュまで足しげく出向き、自らの鼻で見極めた(黒トリュフはその香りが身上)最上のトリュフをたっぷり仕入れ、自分の店でトリュフ料理を披露。アーティチョークのスープに、シンプルなパスタに、フォアグラとともにパイに詰めて丸ごと焼きあげる、など、その料理のヴァリエーションは尽きるところがない。黒トリュフづくしのコースも登場し、この食材に目のない食通たちの舌を喜ばせている。
1.パン・ド・カンパーニュのスライス2枚の片面に、有塩バターをたっぷり塗る。
2.1枚のパンに2~3ミリにスライスした黒トリュフを6枚並べ、もう一枚のパンを重ねる。
3.2をラップで密封し、冷蔵庫で二日間おく。この間に、黒トリュフの風味がバターとパンに移る。
4.オーブンやフライパンで、両面をこんがり焼く。
黒トリュフは決して安い食材ではないが、もしも質のよいものが少しでも手に入るチャンスがあれば、ぜひ一度作ってみてほしい。香ばしいパンとまろやかなバターの味わいと一体化した黒トリュフの魅力を、存分に感じられるはずだ。
合わせる飲み物はシャンパーニュかブルゴーニュの上質な白ワイン、が、ミシェル・ロスタンのアドヴァイス。
ボナペティ!
Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。
- Michel Rostang http://www.michelrostang.com/english/index.html
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加納 雪乃 Yukino Kano
フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。
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