最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2012.02.13

Vol.47 | クネルの名店「ジロデ」について

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フランスの地方料理には、魅力的なものが多い。プロヴァンス地方のブイヤベース、アルザス地方のシュークルート、バスク地方のピプラード、、、。そして、リヨンを中心としたローヌ・アルプ地方には、クネルという有名な地方料理がある。
クネルは、川魚であるカワカマスのすり身に、生クリームやバター、卵、小麦粉を合わせ、大きなスプーンでラグビーボールのような形にまとめて茹でたもの。固めのハンペン、と言った感じの食感だ。茹で直したり、蒸したり、オーブンやフライパンで焼いたり、といろいろな調理法があるが、定番は、ベシャメルソースをかけてオーブンでこんがり焼いたもの。この土地の特産であるザリガニのソテーを添えたり、ザリガニ風味ソースで覆うことも多い。

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「ジロデ」は、クネルの名店。
1910年、リヨンの北、最上の家禽の産地として有名なブール・カン・ブレスに創業。リヨン、ブール・カン・ブレス、そしてパリに直営店を展開し、大規模スーパーにも販路を持ち、伝統的な製法で作られた良質なクネルを提供している。
12月にオープンしたばかりの、パリ3号店を覗いてみよう。

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ショーケースに並ぶクネルは、プレーン味以外にも、サフラン&ザリガニ、胡麻&ヒマワリの種&麻の種入り、イカスミ風味などの味のヴァリエーション。カワカマスではなく鶏ベースのものもある。蒸したり茹でたりしただけでも美味しいが、オリジナルソースをかけるとその味わいは格段に上がる。

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定番のナンチュア(ザリガニ風味)ソースを始め、オマールソース、トマト&エスペレット唐辛子ソース、セープ茸入りクリームソースなど、いろいろな種類が用意されている。

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そして、2000年から展開しているスープ類も実に充実。BIO野菜をたっぷり使った定番ものから、根セロリ&燻製ニシン、キクイモ&トリュフなど、季節感あるオリジナルものも。季節ごとにどんどん種類が変わっていき、飽きることがない。

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デザートスープにも力を入れていて、イチゴ&ルーバーブ&ハイビスカス、チョコレート&栗など、こちらも旬の風味を、甘いスープというスタイルで楽しめる。

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テイクアウトはもちろん、イートインも可能。熱々のスープ&バゲット、蒸したクネルにスープを添えた軽食、こんがり焼いたクネルの薄切りをたっぷり乗せた大ぶりのサラダ、一口大のミニクネルをソースで和えたタパス風など、定番と一味違うクネル料理を楽しめる。フロマージュ・ブランにデザートスープをたっぷりかけたデザートも、チャーミング。
地方料理をカジュアルシックに楽しめ、スープというヘルシー料理も味わえる、個性的な食スポットだ。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

Giraudet <Bar a soupes et quenelles>
6 rue du Pas de la Mule 75003 Paris
01 42 78 71 62
10時~19時30分(火~土)
11時~19時(日)
http://www.giraudet.fr
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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