最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2011.12.12

Vol.45 | 「シャンブル・オ・コンフィチュール」について

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朝食のシーンに欠かせない、コンフィチュール(ジャム)。その専門店が、この9月にパリに誕生した。「シャンブル・オ・コンフィチュール」、その名も“コンフィチュールの部屋”。
場所は、「ローズ・ベーカリー」の本店や、「アルノー・デルモンテル」などが並び、ここ数年来、美食通りとして注目されている9区のマルティーユ通りだ。

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小さな店の壁一面に、コンフィチュールがびっしり。
その種類、約100。イチゴ、ルーバーブ、マンゴーといった、シンプルフルーツものから、ニンジンやトマトなどの野菜、ルーバーブ&ニワトコ、リンゴ&シナモン、洋なし&ショウガ、といったミックス味まで。

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また、オレンジ味なら、オレンジ&レモン、ミカン、甘味オレンジ&苦みオレンジ、オレンフフラワー風味オレンジ、といった具合に、様々なヴァリエーションが揃い、微妙な味の違いを楽しめる。

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オーナーのリズ・ビアネメさんは、コスメ業界出身の女性。 生まれたときからコンフィチュールが大好きで、その魅力を伝えたい、と転身。フランス中を歩き回って、上質なコンフィチュールを職人気質で作る職人たちを捜し、彼らのレシピと、自分のアイディアを付け加えたレシピのコンフィチュールを、店オリジナルの瓶に詰めた。
「季節の果物を、完熟した時期を見極めて収穫し、すぐにコンフィチュールに。果物自体の味が濃く甘味たっぷりなので、砂糖はあまり必要なし。加糖量は、最大でも40%くらい。マンゴーやミラベルなど糖分が強いものだとわずか10%になります」。

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コンフィチュール以外の商品は、塩バターキャラメル、ショコラキャラメル、塩バターキャラメル&プラリネ味などのパータ・タルティネや、蜂蜜。また、スパイス入りパイナップル、黒オリーブ入りイチジク、リースリング風味のミラベル、といった、チーズに添えるフルーツコンフィ、肉料理に便利なエシャロットのコンフィなども。

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さらに、ライチ&ローズ、フランボワーズ&イラクサ、シナモン、綿あめ、ヴァニラ&森イチゴなどの風味を加えたフレーバー砂糖や、スコーンやクレープ、パン・ド・カンパーニュなどのキットも棚に並び、パンに塗って楽しむ商品だけでなく、パン作りやパンのある食卓シーンに華を添える様々なアイテムを提案している。

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「コンフィチュールは、愛情深いイメージがあり、分け合う歓びと親密感を持った、伝統的な食品。朝食やおやつの時間を、ヴァラエティー豊かに幸せにしてくれるものです。
私は、いつもあえて30分早起きして、ゆっくりのんびり、コンフィチュールとともに朝食時間を楽しんでいます」というリズさん。
店にあるほとんどのコンフィチュールが味見をでき、店内は、味見を楽しんでは、そのおいしさに頬を緩める人々でいっぱい。コンフィチュールが与えてくれる幸せがぎっしり詰まった甘いお部屋の誕生だ。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

La Chambre aux Confitures
9 rue des Martyrs 75009 Paris
火~金 11時~14時30分 15時30分~19時30分
土 10時~19時30分
日 10時~14時
月休
http//lachambreauxconfitures.com/
※新規ウィンドウが開きます
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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