最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2011.11.14

Vol.44 | 「ラベル・フェルム」について

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食材にこだわったヘルシー商品を掲げる、チャーミングで個性的なサンドウィッチリーが続々誕生しているパリに、また一つ、お勧め店が加わった。2011年6月にオープンした、「ラベル・フェルム」だ。

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4人の友人たちが開いた、小さなファスト・フード&食材ショップ。
力を入れたポイントは、“小規模生産者のフォーカス”。
オーナーの4人はそれぞれ実家がサヴォア地方の農家だったり、食材取引に携わったりと、もともと生産者と距離が近い。
その利点を生かし、ごく小さな生産者の上質な食材を手に入れている。

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「BIOというラベルにはこだわっていません。仕入れている10人ほどの生産者は全員よく知っているので、それぞれが、丁寧に安全に美味しい食材を作っているのは分かっています」というオーナーたち。
ハムやチーズ類は、これらの食材の宝庫であるサヴォア地方から、野菜や果物はパリ近郊から届けられる。
店内の壁には、生産者の写真が飾られ、彼らとの親密ぶりをPRしている。

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これら上質の食材は、バゲットを使ったカスクルート(サンドウィッチ)とサラダのスタイルで提供される。
サラダ菜、生野菜類、トマトコンフィ、干し葡萄やクルミ、各種ハムやチーズ類など、25種ほどの具材が、サラダバーのように並ぶ。
客はまず、サラダにするかバゲットにするかを選び、あとは好きな具材を好みに合わせてサラダボウルに盛り付けてもらうか、バゲットに挟んでもらう。
ソースは、ハニーマスタード、バルサミコ酢、レモンオリーブオイルなどから好きなものを。

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ユニークなのは、値段設定。好きなものを好きなだけ、という感覚で、サラダもカスクルートも量り売りをしているのだ。
パンと具材の野菜類は1.8ユーロ(約200円)/100g、ハム&チーズは4.5ユーロ(約500円)/100g。野菜もハムもチーズもたっぷり入れたカスクルートで6ユーロほどの値段になる。
具材やソースを好きに選べるオーダーメードスタイルという点を考えると、パリの他の高感度サンドウィッチリーに比べても決して高くはない値段設定だろう。

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デザートは、自家製のリンゴケーキや生の葡萄、農家製ヨーグルトなど。
飲み物には、サヴォア地方で作られたレモネードやビールも用意されているのが目を引く。
食材店としても機能しており、店自慢のチーズやハムなどもテイクアウト可能だ。

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今は、バゲット(「ラ・フルネ・ドーギュスティヌ」、バゲットコンクール優勝店)のカスクルートとサラダだけのラインナップだが、今後は、パンの種類を増やしたり、タルティーヌ、スープなど、メニューも少しずつ充実させていく。
また、食材店としても充実化を図り、前日までにサイトでオーダーすれば当日店で、届いたばかりの新鮮野菜や果物を受け取れる、というシステムも構築する予定だ。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

Label Ferme
43 rue Le Peletier 75009 Paris
01 44 63 71 94
11時30分~20時(ランチは〜14時30分くらいまで)
http://www.labelferme.fr
※新規ウィンドウが開きます
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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