最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2011.08.22

Vol.41 | ギー・マルタン料理教室

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フランス、とりわけパリでは今、料理教室が大ブームだ。
週末や夜に行われる数時間のゆっくりコースはもちろん、ランチタイムを利用して30分で作って20~30分で食べる、というスピードコースも好評だし、子供向けコース、ワインコースなど、実に充実した内容を提案する料理教室が、数年来続々誕生している。
外食をする傾向が少なくなり、家で友人を招いての食事や小さなホームパーティーを開催することが多くなってきているが、料理教室は、そんなニーズにもこたえているのだろう。

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上は、アラン・デュカスやホテル・リッツ、ルノートルのシックバージョンから、下は、食材店やマルシェで開催されるカジュアルタイプまで、数ある料理教室。その中で、とりわけお勧めしたいのは、名レストラン「ル・グラン・ヴェフール」のオーナーシェフ、ギー・マルタンがプロデュースする、「アトリエ・ギー・マルタン」。
“料理の歓びを、レストランというスペースではないところで皆さんと分け合いたい”と創立した料理学校。静かな中庭を見下ろす二つの広々としたアトリエでは、毎日、朝から夜まで、料理やお菓子作りを楽しむ人々の楽しげな声と、いい匂いにあふれている。

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料理学校はいずれも、生徒のニーズを探し求めて様々なコースを提供しているが、「アトリエ・ギー・マルタン」は、とりわけコース内容が充実しているのが魅力的だ。
一番人気のテーマは、「昼のスピードコース」。12時半~13時の30分で一皿を作り、そのあと作った料理をランチとして食べる。ワインやデザートは追加でオーダーできる。受講料金は16.5ユーロ。カフェで料理1品&カフェを取る値段よりもほんの気持ち高いくらい。であれば、新鮮素材を使った料理作りを楽しみ、料理好きの人々と知り合え、仕事の気分転換にもなる料理教室でランチタイムを過ごすほうがよい、と考える人は多い。
内容を見てみると、“イカのプランチャ(鉄板焼き)”、“海苔巻きづくし”、“タイのタルタル”など今の時代が求めるヘルシーでトレンディーな料理から、“仔牛のコルドンブルー風”、“仔羊の蜂蜜煮込み”などクラシックなもの、さらに“バーべキュー料理”、“ガスパッチョとエビの串焼き”など季節感たっぷりのものまで、実にヴァラエティー豊富。
7月は17回開催され、そのすべてが違う内容。頻繁に通っても飽きないので、常連率も高い。
他にも、インドやアジア、南米などの味を意識した「5大陸料理」、週末に4時間かけてじっくりと高級料理に取り組む「フレンチガストロノミー」、“デトックス料理”、“パーティービュッフェ”、“花が香る料理”、“カップケーキパーティー”などはやりのテーマを取り入れた「流行コース」、“母娘で仲良く料理”、“カクテルのおつまみ料理”、“タパスづくし”などの「風変わりコース」など、多種多様の内容。学校が休みの水曜日には、子供向けコースも開催。

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パティスリーコースでは、“個性派タルトたち”、“アイスクリーム&ビスケット”、“コンフィズリーいろいろ”、“ベーシックパティスリー”などがラインナップされている。

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自分が参加するだけでなく、料理好きの家族や友人の、誕生日や結婚記念日などのプレゼントとしても人気上々。
料理は、食べて楽しむものであると同時に、作って楽しむもの、という意識が、パリジャンに根付き始めているのだ。
ギー・マルタンは、以前紹介したサンドウィッチサロンドテ「ミユー」もプロデュースする人物。近々に、「ミユー」のサンドウィッチのレシピをまとめた本も登場予定。いずれ料理学校でも、“ミユーサンドウィッチコース”なども登場かもしれない。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

http://www.atelierguymartin.com/en.html
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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