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最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-
Date:2011.06.13
Vol.39 | ア・ラ・メール・ド・ファミーユ
キャラメル、ギモーヴ、キャンディー、チョコレート、パート・ド・フリュイ(フルーツ・ゼリー)、、。素朴な甘い美味が勢ぞろいするコンフィズリーは、日本の駄菓子屋さん同様、残念ながら、年々その姿を消しつつある。しかし、パリには、コンフィズリーの超名店が、いまだに数件、残っている。中でも、とびきりのお勧めは、「ア・ラ・メール・ド・ファミーユ」だ。
1789年に起こったフランス革命の20年以上も前。美食家で愛人も多く人生を謳歌したルイ15世の治世下、マリー・アントワネットはまだ子供でオーストリアにいたような時代。店のあるパリ9区のモンマルトル大通り界隈は、まだまだ田舎だった。 そんなところに誕生した店は、最初はエピスリー(食材店)としてスタートした。19世紀初頭には、世界初の食のガイドブックを創設したと言われる美食批評家グリモ・ド・ラ・レニエールも、この店を絶賛、19世紀中ごろになると、砂糖の大量生産が可能になり、砂糖菓子であるコンフィズリーが一気に増え、店も、エピスリー兼コンフィズリーの様相に。20世紀初頭には、国際食博覧会で賞を受賞し、中国からお茶、シンガポールからパイナップルなど、世界中の美味を取りそろえるようになった。
18世紀建立の風情ある建物は、1984年、歴史的建造物に指定され、パリの古い歴史を物語る希有な場所の一つになっている。
アンティークのタイルやショーケースに装われた本店に並ぶ、コンフィズリーの総数は、約1200種。地方銘菓のキャンディーやキャラメル、ビスケットなど、いわゆる仕入れ物は300種ほどで、残りは自家製アイテム。自家製アイテムには、チョコレート、キャラメル、ギモーヴ、カリソン、キャンディー、パート・ダマンドで作った動物たちなど多種多様なコンフィズリーが揃う。さらに、4年ほど前からはお菓子と氷菓のジャンルにも力を注いでいて、今では、パウンド・ケーキ類やフィナンシエ、コンフィズリーを使ったアイスクリームなども人気アイテムとなっている。 自家製コンフィズリーのアトリエは、本店隣接の氷菓&焼き菓子を中心としたアトリエを始め、フランス全国に4か所。えりすぐりの材料で、オリジナリティーあるコンフィズリーやその他のお菓子を作っている。
Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。
- A La Mère de Famille
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33-35 rue du Fg Montmartre 75009 Paris +33 1 47 70 83 69
9:30-20:00(日は10:00-13:00)
無休
http://www.lameredefamille.com
※新規ウィンドウが開きます
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加納 雪乃 Yukino Kano
フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。
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