最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2010.12.20

Vol.33 | サロン・デュ・ショコラについて

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毎年様々なグルメ見本市が開催されるパリだが、10月末に行われるショコラの祭典「サロン・デュ・ショコラ」は、知名度も注目度もナンバーワンのグルメ見本市。パリのサロンは今年で16回目となり、6日間の入場者数は10万人を超えるが、今では世界中の15の都市で開催されていて、トータルで300万人以上もの集客を誇る。パリの今年の開催は、10月27日の前夜祭に続き、10月28日~11月1日。12000㎡のスペースに、世界中から400軒のショコラティエが並び、甘い香りに包まれた。

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招待ベースで入場できる前夜祭は、参加店のシェフたちも一堂に顔をそろえていかにも華やか。ショコラティエたちが旧交を温める絶好の場にもなっている。前夜祭のハイライトは、ファッションショー。会期中毎日行われるが、この夜のものが最初のお披露目であり、多くのカメラマンがカメラスタンドに詰めかけ、すし詰めの熱気に包まれる。

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ジャン=ポール・エヴァンらがクリエイトしたショコラをテーマにした美しいドレス20着をまとったモデルやミス・フランス、テレビキャスターらが舞台を華やかに歩いた。中でも注目は、1998年のサッカーワールドカップでフランスを優勝に導いた選手の1人、フランク・ルブッフの登場。ロワール地方はナントの名ショコラティエ、ヴァンサン・ゲルレが作った衣装をまとって登場し、会場を沸かせた。アクロバットショーや歌も組み込み、スペクタクル感溢れるショーとなった。

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400軒が並ぶショコラティエでの買い物は、このサロンの最大の魅力。普段なかなか手に入れられない地方の名店の商品や、海外のショコラティエの最新作などをチェックできる。日本からは、パリに拠点を置く「サダハル・アオキ」と、「テオブロマ」、「メリーチョコレート」がプロデュースする「トーキョー・チョコレート」が出店した。

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今年のサロンは、日本に注目。30日は“ジャパン・デー”となり、終日、日本人のショコラティエやキュイジニエ、その他食関係者によるデモンストレーションやコンフェランス、ティー・セレモニーなどが行われ、日本茶や日本酒とショコラの相性などについても語られた。

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サダハル・アオキで注目された、チョコレートマカロンを挟んだ抹茶風味大判焼き
会期内に、様々なコンクールや授賞式が行われるのも、このサロンの楽しみの一つ。2年に一度開催される高名な菓子コンクール「シャルル・プルースト」(ピエスモンテとショコラアントルメ)では、パリのパティスリーブーランジュリー「メゾン・ランドメーヌ」に勤務するJun Nukii(貫井淳)氏が、味覚部門と一般客部門を受賞。ショコラの名門クラブ“クラブ・デ・クロカー・ドゥ・ショコラ”のメンバーが審査をする“レ・ザワード・デュ・ショコラ”では、フランス全国から12人の“最高のショコラティエ”が発表された。12人のショコラティエは以下の通り。
ジャン=ポール・エヴァン(パリ)
ピエール・エルメ(パリ)
ジャック・ジュナン(パリ)
パトリック・ロジェ(ソー)
ファブリス・ジロット(ディジョン)
アンヌ・フロワンソーワーズ・ブノワ(アンジェ)
ジル・クレスノ(ナンテール)
ジャン=エミール・シュミット(ジェラールメール)
パスカル・ル=ガック(サン=ジェルマン・アン・レイ)
ヴァンサン・ゲルレ(ナント)
フランソワ・プラリュ(ロアンヌ)
リシャール・セーヴ(リヨン)
またその他の賞として、国際エクセレンス賞を、青木定治氏が受賞した。

食べたり買ったりはもちろん、見たり聞いたり学んだりも楽しい、大充実の見本市。日本からも多くの来訪者があり、このショコラの祭典を楽しんでいる。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

http://www.salon-du-chocolat.com/
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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