最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2010.11.15

Vol.32 | ジャック・ジュナンの本について

長年、高級ホテルや高級レストランにキャラメルとチョコレートを卸していた、ジャック・ジュナン。知られざる名職人として高い評価を得ていた彼が、自身の店を開いたのは、2008年だった。サロン・ド・テを併設した店では、以前から評判だったキャラメルとチョコレートに加え、タルト・オ・ショコラ、エクレール、シュー・ア・ラ・クレーム、オペラなど、フランスの伝統菓子を提案。ミルフィーユは、オーダーが入ってから、組み立てを行い、フイタージュのサクサク感を満喫できるようにしている。フルーツそのものを食べているかのような質感のパート・ド・フリュイも大人気だ。

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今や、パリのトップ・パティシエ&ショコラティエ&キャラメリエ&コンフィーズールとして名声を高めているジャック・ジュナンが、9月、初のレシピ本を披露した。「ル・メイユール・デュ・ショコラ」と「ル・メイユール・ド・ラ・タルト・オ・シトロン」の2冊。チョコレート菓子と、レモン・タルトにフォーカスしている。

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チョコレートのほうは、タルト、エクレール、プロフィトロール、スフレ、トリュフなど、全20レシピ。レモン・タルトのほうは、基本形のほか、ライム、レモン&パッション、レモン&バニラ、レモン&ローズマリーなど全12種を紹介。

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料理&菓子関係の本は、数年来、グラフィカルに美しい写真をメインにした、写真集的なレシピ本が多かったが、この本はあくまで実用書。

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基本のタルト生地やシュー生地、クリームなどの作り方を、工程写真をふんだんに添えて、実際に菓子作りを行う人に向けて作られている。「プロだけでなく、家庭でも作れるようなレシピになっています。写真を多用し、作業中の生地の質感やクリームの滑らかさなどの理想的な状態をしっかり見てもらえるようにしてあります」と、ジュナン氏。本の装丁もバインダー仕立てになっていて、キッチンに立てておきやすい形だ。ジュナン氏の美味しさの秘密が詰まった実用レシピ本。ぜひ、お菓子作りの参考にしたい。

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Soufflé au Chocolat チョコレート・スフレ
グラニュー糖 125g
ビターチョコレート 180g
牛乳 100g
カカオパウダー 20g
卵 大5個
1. オーブンを200℃に温めておく。
2. 型にバター(分量外)を塗り、底部に粉砂糖(分量外)をまぶして、逆さにして余分な粉砂糖を叩き落とす。冷蔵庫に入れておく。
3. 卵黄と卵白に分ける。
4. チョコレートを湯煎で溶かす。
5. 卵白を立ててメレンゲにする。グラニュー糖を少し加え、しっかりしたメレンゲに仕立てる。
6. チョコレートがとけたらすぐに火からおろす。
7. 鍋に牛乳を沸かし、沸騰したらすぐに火からおろし、カカオパウダーを加えてよく混ぜる。
8. 7の牛乳を6のチョコレートに加え、ゴムベラで優しく混ぜ合わせる。
9. 卵黄にグラニュー糖を加えて混ぜ合わせる。
10.8に9を加えてよく混ぜる。
11.10に、5のメレンゲをほんの少し混ぜ加える。
12.11を残りのメレンゲに加え、そっと丁寧に混ぜ合わせる。
13.冷蔵庫から型を出し、12の生地を入れる。
14.200℃で8分間焼き上げ、熱いうちに供する。(加熱時間は型の大きさにより変わる。ここでは、直径8cmほどの一人用の型を利用。)

Le Meilleur du Chocolat / Le Meilleur de La Tarte au Citron
Jacques Genin
Editions Alternatives

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

Jacques Genin fondeur en chocolat
133 rue de Turenne 75003 Paris 01 45 77 29 01
11時~19時 土日は~20時
月休
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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