最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2010.09.17

Vol.30 | フィガロおいしいものコンクール

photo1

食いしん坊なフランス人。食に対する興味は尽きることがない。大手日刊紙「ル・フィガロ」は、時折、おいしいものコンクールを開催し、独自の審査員団により、人気の料理やお菓子の名店を審査し、結果を発表している。
クラブハウス・サンドウィッチ、ステーク・フリット(牛ステーキとフライドポテト)、ピザ、モヒートなどの料理やドリンクはもちろんだが、パンやお菓子も取り上げられることが多い。今回は、パン&お菓子系のコンクールの結果を紹介する。

photo2

バゲット:
フランス人の食事風景に欠かすことの出来ないバゲット。毎日買うものだからこそ、おいしいところを選びたいし、毎日たくさん売れるものだからこそ、最良のものを味がぶれることなく提供し続けるのが大切だ。審査項目は、外観、香り、食感、コストパフォーマンス。
1位 Jacques Bazin  85bis rue de Charenton 75012
2位 Regis Colin  53 rue montmartre 75002
3位 Julien  75 rue Saint-Honore 75001
3位 Secco  20 rue Jean-Nicot 75007

photo3

パン・オ・ショコラ:
子供のおやつの定番。フイユタージュ生地の上手な焼き上げと、中に入れるチョコレートバーの質が大切。チョコレートバーは1本でなく2本が望ましい、と審査員団コメント。審査項目は、形、香り、味、そして店員対応。
1位 Julien  75 rue Saint-Honore 75001
2位 Secco  20 rue Jean-Nicot 75007
3位 Ble Sucre  7 rue Antoine-Vollon 75012
4位 Laurent Duchene  2 rue Wurts 75013
5位 Pierre Herme  72 rue Bonaparte 75006

photo4

ミルフイユ:
ご存知フランスのお菓子を代表する一品。基本はフイユタージュ生地にクレーム・パティシエールを挟むものだが、今では、チョコレートクリーム、マロンクリーム、パティシエールにイチゴなどのフルーツ、キャラメルクリーム、抹茶クリームなど、ヴァラエティー豊富な味がそろう。コンクールでは、基本のクレーム・パティシエールが対象。審査項目は、外見、クリーム、生地、コストパフォーマンス。なお、ジャン=ポール・エヴァン、パティスリー・デ・レーヴなど、週に1~2日しかミルフイユを作らない店は審査対象外。
1位 Stephane Vandremeersch  278 av. Daumesnil 75012
2位 Patisserie de l’Eglise  10 rue Jourdain 75020
3位 Angelina  226 rue de Rivoli 75001
4位 Jacques Genin  133 rue de Turenne 75003
5位 La Grande Epicerie de Paris  38 rue de Sevres 75007
タルト・オ・シトロン:
パン屋にもお菓子屋にも必ずといっていいほどおかれている、フランス菓子の基本中の基本のひとつ。シュクレ生地かサブレ生地にレモンクリーム。生地の甘味とレモンクリームの酸味のバランスがポイント。最近の傾向は、ライム味を忍ばせたタイプ。また、メレンゲを乗せたタイプは少なくなってきた。外観、クリーム&レモン、生地、コストパフォーマンス、が審査項目。
1位 Carl Marletti  5 rue Censier 75005
2位 Jacques Genin  133 rue de Turenne 75003
3位 Pierre Herme  72 rue Bonaparte 75006
4位 Secco  20 rue Jean-Nicot 75007
5位 Carette  4 place du Trocadero 75016

photo6

シュケッツ:
シュー生地にアラレ砂糖をたっぷり振って焼き上げた、パン屋さんで売られることが多い、シンプルなお菓子。そのままパクパク食べてもいいし、半分に割って中にアイスクリームを入れてチョコレートソースをかければ、即席プロフィトロールの完成だ。シュー生地ならではのクシュンとした食感と、上に乗ったアラレ砂糖のカリカリ感のコントラストが楽しい、素朴な人気菓子だ。 日本ではまだなじみが薄いかもしれないが、フランスでは、子供のおやつとして人気だし、この商品を自慢にしているパン屋も少なくない。今後、日本で注目される可能性も高いのでは? 審査項目は、外見、口当たり、風味、コストパフォーマンス。
1位 Le Quartier du pain  74 rue Saint-Charles 75015
2位 Philippe Gosselin  125 rue Saint-Honore 75001
3位 Stephane Vandremeersch  278 av. Daumesnil 75012
4位 Dominique Saibron  77 av. De General Leclerc 75014
5位 Aux Castelblangeois  168 rue Saint –Honore 75001
他にも、フラン、パリ・ブレスト、ムース・オ・ショコラなどのコンクールも開催。フランス人の、食にかける情熱がよく分かる、楽しいコンクールだ。 入賞店の味を、ぜひ試してほしい。
<< BACK NEXT >>

加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

ページトップへ