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最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-
Date:2010.08.16
Vol.29 | 「カフェ・ド・ラ・ペ」のパティスリー
パティスリーと同様に、パリの魅力のひとつであるファッション。パティスリーとファッションというパリが世界に誇る文化が融合したイベントがある。「カフェ・ド・ラペ」の、特別パティスリーだ。
「カフェ・ド・ラ・ペ」は、パリで一番有名なカフェ。ミルフイユの名店としても有名だ。オペラ座の斜め前に面した、高級ホテル「ル・グラン」に併設し、第 2次世界大戦時には、パリ開放時、ド・ゴール将軍がパリに凱旋した折にここでカフェを飲んでフランスの勝利を祝った、という逸話も残っている。そんな、パリを代表するカフェで、5年前から、ファッションのクリエーターとコラボレーションしたオリジナル・パティスリーが披露されている。
始まりは、2005年。アニエス・ベー、プラアのアガタ・ルイズ、シャンタル・トーマスなど、パリのモード界を代表する4人の女性クリエーターが、それぞれ3ヶ月ごとにデザインセンスあふれるオリジナルミルフィーユをコラボレーション製作した。
このイベントの大好評を受け、「カフェ・ド・ラ・ペ」は、引き続き、ティエリ・ミュゲール、バルバラ・ビュイ、マリテ+フランソワ・ジルボーら、モード界の巨匠たちを3ヵ月ごとに招聘し、個性的なデザインのデザートを次々と発表し、今年で5年目を迎えるにいたった。
ヴァカンス明けの2010年9月中旬から2011年1月中旬まで「カフェ・ド・ラ・ペ」のメニューに載るのは、レバノン出身でグラムールな雰囲気が魅力のデザイナー、ズハイル・ムラドによる“ヌー・ダムール(愛の結び)”。
「表面に飾ったチョコレート製のリボンが、魅惑的な女性の体のラインを表現します。チョコレート製の箱のなかには、オレンジとエレル(コケモモの一種)を潜ませたチョコレートムースとアーモンドペースト。オレンジもエレルもアーモンドも、私の故郷レバノンの特産品です」と、ムラド。
彼の作品はもちろん、3ヶ月ごとに発表される新作はいずれも、モードクリエーターならではの、普通のパティスリーとは一新を画したデザイン。味もさることながら、その唯一無二の個性的なデザインを楽しみに、毎回「カフェ・ド・ラ・ペ」に通って、期間限定のデザートを味わいたい。
Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。
- CAFÉ DE LA PAIX
- 5 Place de l’Opéra - 75009 PARIS
Tel : +33 (0)1 40 07 36 36
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加納 雪乃 Yukino Kano
フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。
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