最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2010.06.14

Vol.27 | ギ・マルタンのサンドウィッチ店「ミユー」について

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ミシュラン2つ星のレストラン「ル・グラン・ヴェフール」を初め、パリやボストンなどで数件のレストランを手がけ、著作も多く発表している、ギ・マルタン。2年前には一般向け料理教室をオープンし、そちらも大好評。幅広い分野で料理を啓蒙しているトップシェフだ。
料理学校に併設していたサンドウィッチ・ショップ「ミユー」も人気だったが、この4月、ヴァージョンアップして場所も移し、新たな展開を見せ始めた

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「ミユー」の新しい場所は、パリ7区の老舗デパート「オ・ボン・マルシェ」。このデパートに併設する高級食料品館「ラ・グランド・エピスリー」は、おいしいものがそろう場所として日本人にもなじみの場所だ。
「オ・ボン・マルシェ」のキッチン用品売り場3階の角地にオープンした「ミユー」。サンドウィッチやサラダが並ぶショーケースのほかに、サロン・ド・テとしてのスペースを広く取り、大きな窓越しにパリの町を眺めながらのランチタイムやティータイムを楽しめるようになっている。

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商品内容を見てみよう。
バゲット、パン・スウェドワ、ベーグル、パン・ド・ミ、ピタパンと、様々なパンを使ったサンドウィッチ類が15種ほど。サンドウィッチといってもそこはやはり、トップシェフのギ・マルタン。ハムとコーンクリーム、シェーヴルチーズとナスのコンフィ、フォアグラとマンゴーコンフィ、といったように、意外性がありながらきっちりおいしい風味がそろっている。

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サラダは4種。豆腐&マンゴー&カシューナッツや、タラ&ウイキョウ&オレンジ&ケシなど、こちらもひねりの効いたものが多い。ソースやヴィネガーは別添えで、食べる直前にかけられるようになっている。
デザートは、タルト、フルーツサラダ、ヨーグルトなどが並ぶ中、ラップサンドの要領で薄焼き生地にマスカルポーネ&イチゴ&イエロートマト&バジルを巻いた、ラップデザートが注目の的。自家製クレープは、食べる直前に、チョコレートソースやメープルシロップをかけてくれる。

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ショーケースに並ぶこれらのつめたい商品のほか、“本日の料理”として、週代わりで味が変わる、スープ、クロックムシュ、パスタ、一品料理、のホットディッシュも4種。取材時の内容は、それぞれ、グリーンピース&ミント、ツナ&トマト、カレー風味野菜のタリアッテレ、鳥の胸肉であった。裏手に厨房があり、全ての料理は、フレッシュな素材を使い、いつも作りたてを出している。

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ドリンク類は、水やビタミンウォーター、高質のフルーツジュース類を種類豊富に取り揃え、ビール、ワインも並ぶ。更に、シャンパーニュも常時し、グラス、またはハーフボトルで提供。シャンパーニュを楽しむ人も少なくなく、逆に、シャンパーニュにふさわしい料理が楽しめる証拠となっている。

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店内全体が見渡せる開放感ある入り口には、たくさんの果物と野菜を飾って、ここがフレッシュとヘルシーにこだわった場所だという点を強調。横に置かれたシャンパーニュが、高級感を演出している。
個性的なレシピと内装、更にチャーミングな接客をしてくれる支配人も常駐させ、通常のサンドウィッチ・ショップとは少し違う、かといってサロン・ド・テとも違う、独特のシックで居心地のよい場所を提案している。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

Miyou
Au Bon Marche 3F
24 rue de Sèvres 75007 Paris
月~水、土 10時30分~19時30分
木、金 10時30分~20時
(ホットディッシュは12時~15時)
日休
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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