最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2010.04.19

Vol.25 | サンドウィッチ&スナック・ショー

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2月10日、11日、第11回サンドウィッチ&スナック・ショーが開かれた。会場は、サロン・デュ・ショコラも行われる、パリ南部のポルト・ドゥ・ヴェルサイユにある見本市会場。数年前まではもっと小さな会場で行われていたが、注目度が高くなり、規模を拡大した。
2000年に誕生したこのサロンは、名前どおり、サンドウィッチとファーストフードや軽食にフォーカスしたもの。フランス、そしてヨーロッパで拡大しつつあるこの分野の発展を目的にしている。 二日間の入場者は前年度比18%増の10000人。出店メーカー数は300強だ。

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出店メーカーは、サンドウィッチ、パン、マスタードやケチャップ、ハムやサラダなどのサンドウィッチの具材、包装、サンドウィッチデザイン、テイクアウト用パスタ、スープ、ポテトチップス系スナック、サラダ、パスタ、ジュース、水、各種デザート、ショーケース、クレープ焼き機などなど、サンドウィッチや軽食に関するあらゆるジャンル。

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サンドウィッチに関しては、“個別化、差別化”路線が充実していた。オリジナリティのある味や形のパン、ハムやチーズなどではなく、たとえばタプナード(オリーヴペースト)やドライトマトなど、一般的でない具を提案するスタンドが賑わっていた。
ヘルシー志向の折、ビタミン豊富でローカロリーのスープ類も充実。サンドウィッチリーでは日替わりスープを提供するところが少なくないが、このサロンでも、スーパーで売るタイプの様々なスープを並べたスタンドがあった。 サンドウィッチのお供として人気のポテトチップスは、ベトラーヴやニンジンなど他の野菜のチップスが大充実。ポテトチップスでもヴィネガー風味、唐辛子風味など、変り種の人気が高まっているようだ。

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デザートの注目株は、数年来パリに旋風を引き起こしているカップケーキ。キュートな色と形が魅力のカップケーキのメーカーが実に多く出店していた。
そしてドリンクの王者は、こちらも数年来不動の人気を保っているスムージー。100%フルーツのヘルシーさを武器に、この業界の主役ドリンクになっている。また、スイカやオレンジなどのフレーヴァーをつけた水も気になる存在だった。

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サンドウィッチのラッピングや紙袋も、種類豊富。味だけでなく、見た目にも素敵でチャーミングなサンドウィッチ&軽食のスタイルが増えてきているのだ。

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企業のスタンドのほか、業界関係者によるカンファレンスや、トップシェフによる、ビオやヘルシーを謳ったサンドウィッチのデモンストレーションも充実。 ミシュラン2つ星シェフで日本への造詣が深いティエリ・マルクスは、パン・デピス、寒天、玉ねぎピュレなどを使った、145キロカロリーしかないミルフイユ風サンドウィッチを披露。 デモンストレーションは試食もあり、多くの人々がつめかけ、トップシェフがクリエイトするユニークなサンドウィッチを楽しんでいた。
サンドウィッチリーの高級化がきっかけとなって目覚しい発展を続けるサンドウィッチ&軽食産業。 その勢いと充実ぶりを間近で感じられるサロン。来年は3月2日、3日の予定。時期をあわせて、ぜひ訪ねて欲しい。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

http://www.sandwichshows.com/
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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