最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2010.02.15

Vol.23 | サロン・デ・コック・ドールについて

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農業が盛んなフランスは、どの地方にも、職人が手がける質のよい食材が多く存在する。それらの食材を一堂に集めた食の見本市は、パリをはじめ全国いたるところで頻繁に開催されているが、「サロン・デ・コック・ドール」(Salon des Coqs d’Or)は、その中でもひときわ注目される美食サロンだ。

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同名で、フランス全国津々浦々とヨーロッパの最上の食材を掲載したグルメ食材ガイドがある。この本に名前を乗せる食材メーカーだけが集う、いわば、極上の食材だけが集まった見本市。今年で15回目を迎える。
11月28、29日の二日間開かれたサロンに集まったメーカーは、40ほど。ほかの大規模な見本市に比べればごく少ない数だが、そのどれもが、最高の質を誇る、その業種のトップクラスだ。

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バスク豚のハムのおいしさを世界中に啓蒙している豚肉加工メゾン雄「オスピタル」と「ピエール・オテイザ」、パリで高感度なレストラン御用達のブーランジュリー「プージョラン」、ブルターニュ地方はル・マンのMOFショコラティエ「ベリヌ」、ノルマンディ地方で職人気質のBIOシードル&発砲リンゴジュースを作る「ル・ポルミエ」、プロヴァンス地方の豊富な魚介類をたっぷり使った魚のスープやエビのスープなどを手がける「ル・ベック・ファン」、アキテーヌ地方はワインの名産地メドックで作られるハシバミのカラメリゼ「ノワゼッティーヌ・デュ・メドック」。そして、もちろんフランス各地のワイン。

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通常の見本市は、各スタンドで味見をして即売、だが、このサロンは、味見はもちろんだが、会場中央にテーブルをいくつも置き、訪れた人々は、各スタンドで好みの食材を買って、その場でゆっくり座って味わうことが出来る。昼時には、いつもと違った昼食を楽しもうとやってきた人々で大賑わいだ。

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日本でまだ紹介されてない、小規模メーカーが手がける珠玉の食材と出会える美食サロン。毎年11月下旬の週末に開催。会期は短いが、この時期にパリにいることがあれば、訪れる価値のあるサロンだ。
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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