最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2009.12.14

Vol.21 | ラデュレの本

日本にも最近進出して人気を博しているサロン・ド・テ「ラデュレ」。1862年に、ロワイヤル通りにオープンした、パリで最も古いサロン・ド・テのひとつ。昔も今も、変わらぬ魅力を発している。
そんな老舗名門「ラデュレ」が、10月1日、新しい本を発売。既存の2冊は、このサロンの精神を語ったものや、「ラデュレ」を愛する各界の著名人のエッセイ的な本であったが、3冊目となる新刊「ラデュレ・シュクレ」は、メゾン初のレシピ本となった。

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まず目を引くのは、そのパッケージと装丁。「ラデュレ」のテーマカラーであるパステルグリーンの箱は、同社のマカロンの箱にそっくり。ふたを開けると、これまたマカロンボックスにも使われている、薄紫色の薄紙。それをそっとはずすと、パステルグリーンに「ラデュレ」のロゴをあしらった正方形の本が出てくる。カバーの手触りはビロード風、小口は金で仕上げてあり、パッケージの美しさに続いて、本自体の美しさにも感動する。

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さらにページを開くと、パステルグリーン、パウダーリーズ、レモンイエローなど、「ラデュレ」らしいオフカラーのやさしい色と、フランスらしいテーブル・アートを組み合わせた美しいお菓子写真が、レシピとともに掲載されている。
レシピ数は100。「ラデュレ」のシェフ・パティシエであるフィリップ・アンドリューが、マカロンやフィナンシエ、エクレールにタルト類、アイスクリームなど、メゾンの銘菓を、普通の人が家で作れるようなレシピにアレンジしたものだ。

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パティスリー、サロン・ド・テに続き、化粧品類や小物類などのオブジェ販売も成功させ、シャン・ゼリゼ店横にはシックなバーもオープンさせ、ますます充実した活動を続ける「ラデュレ」のレシピ本。内容の充実度とともにその美しさにも高い評価を得ており、今年のクリスマスのプレゼントとしてベストセラーになるだろう。 日本語訳も1年後くらいに出版される予定だ。

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「ラデュレ シュクレ」より、マドレーヌの作り方抜粋。
材料:(普通サイズ24個分、ミニサイズ60個分)
レモン(無農薬) 2個
グラニュー糖 160g
小麦粉(T45) 175g+20g(型用)
ベーキングパウダー 10g
バター 180g+20g(型用)
卵 4個
蜂蜜(アカシアかマルチフラワー) 35g
1.レモンの皮をすりおろし、ボールに入れて、砂糖と混ぜ合わせる。
2.別のボールに小麦粉とベーキングパウダーを振るい合わせる。
3.バターを湯煎にかけて溶かす。
4.ボールに、卵と蜂蜜、1を入れて泡立てる。ムース状になったら2を混ぜ加える。最後に3の溶かしバターを加えて混ぜる。
5.4の生地を、密封容器に入れて、12時間以上、冷蔵庫で休ませる。
6.バター20gを溶かし、マドレーヌ型の内側に刷毛で塗り、型を冷蔵庫に15分間入れる。
7.冷蔵庫から7を取り出し、小麦粉を薄くふりかけ、軽くたたいて余分な粉を落とす。
8.オーブンを200℃に予熱する。
9.8の型に、生地を3/4の高さまで入れ、オーブンで焼く。通常の大きさなら8~10分間、ミニマドレーヌなら5~6分間が目安。
10.黄金色に焼きあがったら、型に入れたまま少し冷ましてから、型抜きする。
シェフのアドヴァイス:
マドレーヌはちょっと温かい温度で召し上がれ。すぐに食べない場合は、冷ましてから密封容器に入れて保存します。 型はシリコン製がベター。シリコン製の場合でも、バターと小麦粉を型に塗るのは必須です。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

Ladurée Sucré (Chêne社刊)29.9euors
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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