最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2009.11.17

Vol.20 | 「ピエール・エルメ」の新作商品について

ヴァカンスから戻ってきた人々と夏の報告を交わし、馴染みのブーランジュリーやパティスリーも営業を再開する8月の終わり。 街にはまだ夏の名残が漂う中、パティスリー業界の話題は、すでに年末のお菓子。8月末から9月にかけて、トップパティスリーやショコラトゥリーが、クリスマスや年末、翌年のガレット・デ・ロワの新作を、いっせいに発表する。
他店に先駆けて、充実したラインナップを発表した、「ピエール・エルメ」の、今シーズンの年末お菓子の新作を紹介しよう。 まずは、クリスマスのマストアイテム、ビュッシュ・ド・ノエル。 既存のお菓子コレクションをベースに毎年新しいビュッシュを考案しているが、今年は3点の新作を発表。

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サクサクプラリネを忍ばせたプラリネの 軽いクリームをフイタージュ生地で挟んだ、 人気の“ドゥミルフイユ”をビュッシュに変形。 木目模様で周りを飾り、エルメ自らデザインした のこぎりをアクセントに飾った。
クラシックな薪型でありながら、 どこまでもコンテンポラリーな、エルメ会心の作品だ。

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他に、キャラメルを、ビスキュイ、クリーム、 そのままの3タイプで使う大人気の キャラメルシリーズ“アンフィニマン・キャラメル”の ビュッシュ、チョコレートの有名地域チュアオの チョコレートだけを使ったビュッシュ“チュアオ”。
これら新作以外に、ヴァニラやフルーツ味など、 毎年作るスタンダード4種もあわせて販売される。
クリスマスにも年末にも、日付を選ばずいつでもどこでも食べたいマカロンの新作は、冬果物とスパイスにフォーカスしたもの。 青リンゴ&アンジェリック(蕗の一種、コンフィにして食べる)、レモン&パンデピス、スミレ&カシス、キンカン&スターアニスの4種が登場する予定だ。

クリスマスは家族で静かに過ごすフランスは、12月31日の年末に、友人知人と集って、華やかで賑やかなパーティーを催す。そんな場にも、もちろんお菓子は必要。
というわけで、クリスマスのビュッシュと同じくらい、サン・シルヴェストルと呼ばれる12月31日用のお菓子も大切だ。贅沢、華やか、という言葉が似合うこの日のために、エルメが用意した新作は2種。

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マロン生地に、黒トリュフ(ショコラでなくキノコのほう) 入りマスカルポーネクリーム&黒トリュフ入り リ・オ・レを組み合わせた、“エモーション・ア・パルタジェ・トリュフ・ノワール”。

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そして、エルメのシンボル菓子のひとつ、 バラ&フランボワーズ&ライチの“イスパアン”コレクションを、雪のかけらに見立てた“フロコン・イスパアン”。
いずれも見た目のインパクト、ゴージャス感のある味わいが身上だ。 既存の2種も、サン・シルヴェストルならではの華やかな形のアントルメ。大勢の友達を招いて、全種類味見をしたい誘惑に襲われる。

いずれも見た目のインパクト、ゴージャス感のある味わいが身上だ。 既存の2種も、サン・シルヴェストルならではの華やかな形のアントルメ。大勢の友達を招いて、全種類味見をしたい誘惑に襲われる。

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そして年が明けて1月6日のエピファニー。毎年店頭に並ぶ、スタンダードなアーモンド味とイスパアン味のガレットに加え、今回は、プラリネ味の“ガレット・アンフィニマン・プラリネ”が新登場する。
ピエモンテ産の最上級ノワゼットを丁寧に炒って カラメリゼさせ、エルメが理想とするプラリネの 風味をフイユタージュで挟んだ。 ガレットで大切なのは食べる温度。 冷やしてはダメ。室温でいただくのが一番、素材の味を楽しめる。
毎年キュートなフェーヴも発表するエルメ。今年はまだ、お披露目されていないが、 どんな可愛らしいフェーヴが出るのか、今からとても楽しみだ。

12月~1月にかけてパリに来る機会があれば、ぜひ、食べてほしい、その季節だけの特別な味だ。

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

Pierre Hermé
72 rue Bonaparte 75006 Paris
01 43 54 47 77
10h-19h(土は-19h30)
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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