最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2009.01.19

Vol.10 | 第14回サロン・デュ・ショコラの前夜祭

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第14回サロン・デュ・ショコラの前夜祭が、10月28日に開催。華やかで甘いサロンの幕が上がった。

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今年で14回目を迎えるサロン・デュ・ショコラは、今では、本国フランスのみならず、ニューヨーク、東京、北京、モスクワでも開催される、国際的なサロンになっている。 会期は10月29日~11月2日の5日間。14000㎡の見本市会場に集うショコラメーカーは、世界中から140軒。このサロンにあわせて新作を発表するメゾンも多く、各スタンドとも、新商品を中心に自慢のチョコレートを紹介&即売する。販売の他に、デモンストレーションやコンフェランスも充実しており、会期を通じて毎日10種以上が開催。有名メゾンのトップショコラティエやミシュランガイドブックで3ツ星を得ているシェフらによる、試食付きのデモンストレーションは特に人気がある。

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毎年前夜祭で初披露され、期間中毎日行われる、ショコラティエとファッションメゾンの競作による、チョコレートをテーマにしたドレスのファッションショーも人気イベントだ。

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新作チョコレートで目を引いたのは、“香り”を大切にしたボンボン・ショコラ。 「ル・ルー」のカルダモン&桑の実のガナッシュやそば粉を加えたプラリネ、「ジャン=シャルル・ロシュー」のシガーのガナッシュ、「サダハル・アオキ」のヴァレンシアオレンジのプラリネなどはいずれも、アクセントに加えた風味の味わいが繊細かつ明瞭にチョコレートの中で表現された逸品。きなこや抹茶を柿の種チョコレートにまぶした「マダム・セツコ」のスナック系チョコレートも、和の味をチョコレートに絶妙にマッチさせ、フランス人に好評だった。

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田舎パンで有名な「ポワラーヌ」は、自慢のパンにバターを塗り、細かく削ったチョコレートをたっぷり振りかけたタルティーヌを提供。子供の頃にこういうの食べたよ、懐かしい!と嬉しそうに頬張るフランス人の姿が目立った。

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クリスマスにチョコレートをたくさん食べる&贈る習慣のあるフランス、サロン・デュ・ショコラでクリスマス用のチョコレートを買い込む人々も多く、また、子供用のチョコレートアトリエなども多く開催されるので、家族連れでこのサロンを訪れるケースも多い。更に、フランス人だけでなく、日本を筆頭に世界中からこのサロンを訪ねるチョコレート好きも多く、会期中は連日、大勢の人々で賑わい見せる。
オマケデータをひとつ。
世界的なチョコレートの消費量を比べてみよう。
2006年の調査で、世界でもっともチョコレートを食べている国民は、ベルギー人で、一人当たり年に10.7キロを摂取。続いて、ドイツの10.5キロ、スイスの10.3キロ、オーストリアの9.4キロ、と続く。フランスは、6.8キロで9番目。日本は2.2キロで16番目となっている。
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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