最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2008.10.20

Vol.7 | サンドウィッチコンクールについて

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サンドウィッチはパリの軽食の定番。
サンドウィッチショップ、ブーランジュリー、トレトゥール、シャルキュトリー、サロン・ド・テ、カフェ。実に様々な場所でバゲットやパン・ドゥ・ミなどに具をはさんだのが売られている。
中でも、無塩バターを塗ったバゲットにハムをはさんだ“ジャンボン・ブール”は、パリの定番サンドウィッチだ。

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この春、日刊紙「ル・フィガロ」で開催された『最優秀ジャンボン・ブール』コンクールの優勝店、「クレープリー・デュ・コントワール」の“ジャンボン・ブール”のおいしさの秘密を探る。
同店は、店の横に併設されたカフェ・レストラン「ル・コントワール」と同経営。オーナーシェフのイヴ・カンデボルドは、 パリで流行中の“ネオ・ビストロ”の先駆者。
最高級の食材を使ったカジュアルでシンプルな料理を提案して大人気を得ている。

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「クレープリー・デュ・コントワール」では、バゲット、パン・ドゥ・ミ、スウェドワ(ピタパンに似たしっとり柔らかなパン)、 パニーニの、4系統のサンドウィッチのほか、クレープやゴーフル、サラダやガスパッチョ、リオレなどのシンプルデザートが買える。
“ジャンボン・ブール”のおいしさの秘密は?と、イヴに聞くと、 「最上の食材」と即答が返ってくる。
バゲットは「ジェラール・ミュロ」か「メゾン・カイザー」から毎日仕入れる。ハムはイヴの兄弟で、シャルキュトリー作りの名人「フィリップ・カンデボルド」が作るもの。バターは、バターの神様と呼ばれる「ジャン=イヴ・ボーディエ」。これだけの食材を使ったサンドウィッチが、おいしくないはずがない。
作り置きをあまりせず、オーダーが入ってからバゲットにバターを塗ることもしばしば。フレッシュさも、ここのサンドウィッチのおいしさの秘密のひとつだろう。

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食材をたっぷり使う、という点も大切、とイヴ。実際、作っているところを見ていると、実にたっぷりのバターを塗り、ハムを4枚も重ね、コルニションを随所にあしらった、ヴォリュームたっぷりでいかにもおいしそうな“ジャンボン・ブール”が出来上がる。
生ハムやルッコラ、チーズ、オリーヴオイル、鶏のグリル、ワカモレなどの具は全て、「ル・コントワール」と同じものを利用。つまり、あらゆる食材が、最高級なのだ。
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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