最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-

Date:2013.09.17

Vol.66 | 「パティスリー・シエル」のシフォン・ケーキ

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日本で大人気のシフォン・ケーキは、お菓子大国フランスになぜか存在しないお菓子。この日本育ちの洋菓子が、この夏、パリに上陸した。

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「パティスリー・シエル」は、シフォン・ケーキの専門店。ショコラ、抹茶、ユズ、ヴァニラ&キャラメル、プラリネ・ローズ、フランボワーズの6種類。いかにもふんわりと可愛らしく、キュートな色合いのシフォン・ケーキを目の前に、フランス人は、和菓子なの?どうやって作るの?どんな味なの?と、興味津々だ。

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「最上のフランス菓子はこの国にすでにたくさんあります。普通のフランス菓子ではなく、日本を感じられる洋菓子を、と考え、シフォン・ケーキにいきつきました」と言うのは、オーナーのユリン・リー。お茶が大好きなユーリン。控えめで上品なシフォン・ケーキの風味は、繊細な味わいの玉露などにもピッタリだという。

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お茶だけでなく、シャンパーニュやウィスキーと一緒の楽しみ方も提案。店内には、バーカウンターのような木造カウンターがあり、アルコールもサービス。シャンパーニュはどの味にもOK。ウィスキーなら、ショコラ&キャラメルやプラリネ・ローズとの相性が抜群だという。シャンパーニュは20種ほど、ウィスキーは15種ほどもラインナップしている。

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共同経営者のシェフ・パティシエールは、田村彩。銀座にあるアラン・デュカスの店「ベージュ」を経て、パリのデュカスのレストラン「ジュール・ヴェルヌ」などで経験を積んだ実力派。日本から輸入する冷凍ユズ皮、パティスリー界の巨匠フィリップ・コンチシーニも使っている「ショコラトゥリー・オペラ」の製菓用チョコレート、高級お茶店「寿月堂」の抹茶、「プラリュ」のプラリネ・ローズなど、上質な食材を惜しげもなく使って作られるシフォン・ケーキは、ふんわり軽く、同時にしっとりした絶妙な食感。加える味によって、生地の配合を微妙に変え、どのフレーバーも、同じようなしっとりふんわり感を実現させているのは、さすが、日本人ならではの繊細さ!さらに、穴の部分に生クリームやコンフィチュールを加えて、軽いだけではない、ちょっとリッチなシフォン・ケーキに仕立て、食いしん坊なフランス人の心をがっちり捕らえている。

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お酒用に、と、ケーク・サレならぬ、シフォン・ケーク・サレも提案。今は、パルメザン&クルミオイル&黒コショウだけだが、秋以降、他の味も誕生する予定だ。 カップ・ケーキやチーズ・ケーキなど、アメリカン・スイーツが人気の昨今のパリだが、今後は、ジャパニーズ・スイーツが流行するかも!?

Information-レポートに出てきたお店などを紹介します。

Pâtisserie Ciel
3 rue Monge 75005 Paris
01 43 29 40 78
火水木 10h30-23h30
金土 10h30-翌02h00
日 10h-17h
月休み
http://www.patisserie-ciel.com
※新規ウィンドウが開きます
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加納 雪乃 Yukino Kano

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

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