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最新パリレポート L'rapport de Paris-リアルなパリの情報をフリーライターの加納さんがお届けします-
Date:2008.03.01
Vol.1 | ピュドロガイドブックレポートについて
先ごろ東京版が登場した「ミシュラン」をはじめとして、フランスにはいくつかの人気レストランガイドブックがある。
知名度&発行数的に群を抜くのはやはり「ミシュラン」だが、その他のガイドブックはそれぞれに個性的な評価基準や文章スタイル、レイアウトで、「ミシュラン」とまた違う楽しみ方を提案している。
「ピュドロ」も、人気レストランガイドブックのひとつ。
一般誌、料理専門誌などで食の評論家として有名なジル・ピュドロフスキーが、自分の名前を冠して発行しているもので、フランス版とパリ版が毎年出されている。
今年からは更に、パリのビストロ版も登場するようになった。評価基準は、料理が皿1〜3枚。サーヴィスや居心地のよさはフォーク&ナイフ1〜5本で表している。レストランのほか、カフェやサロンドテ、パン屋や肉屋、チーズ屋、食雑貨店など、食に関する店を多く網羅しているのが特徴だ。
11月はじめに、「ピュドロ・パリ」2008年度版が発売。
“今年のテーブル”、“今年のパティシエ”など、毎年様々なカテゴリーで“今年の〜”をノミネートしているので、これらに評された、今注目のパリの食スポットを紹介しよう。
最高の評価である“今年のテーブル”には、「ラセール」が選ばれた。辻静雄も愛した名店だ。数年前からシェフとして厨房を預かるジャン=ルイ・ノミコスは、クラシック料理を大切にしつつ、現代風に風味をアレンジした料理を提供している。皿が3枚に格上げになり、フォーク&ナイフも最高の5本、と、完璧な評価を得ての、堂々たるノミネートだ。
“今年のブーランジェ”は、7区に出来た「ブーランジュリー・デ・ザンヴァリド」のフィリップ・ジョクトゥール。
もともと、リヨンにある有名ブーランジュリー「ブーランジュリー・ドゥ・リル・バルブ」の経営者で、「ポール・ボキューズ」もこの店のパンを仕入れているという。パリに進出し、順調に評価を得ていることが証明された。
各種パンやフガスの評判も高いが、この店の人気商品は、薄いサブレに、リヨンの名産ピンクプラリネのペーストを塗ったもの。
一口サイズから大きなタルトサイズまで様々な大きさがそろっている。サックリしたサブレにネットリしたペーストの、食感のコントラストが絶妙。見かけほど甘すぎず、デザートとしても、カフェのお供としてもぴったりだ。
“今年のパティシエ”には、例外的に2人が選ばれた。
「ブレ・シュクレ」のファブリス・ル=ブルダは、高級ホテル「ル・ブリストル」で大活躍したジル・マルシャルの右腕として長年、この店のデザートの評判を支えてきた人物。
12区に自分のブティックを開いた。クラシック菓子からグラスデザートまで、安定した美味しさで、一躍パリの人気パティスリーの仲間入りをしている。
もう一件は、「レクルイユ」のカール&ローレンスのエデレー夫妻とジュリアン・ムニエの3氏。有名なトレトゥール(惣菜店)の出身で、ショコラ&カフェ、ヴァニラ&フランボワーズのエクレア、ミルフォイユなどのクラシック菓子にとりわけ定評がある。
そのほか、“今年のビストロ”には「カメレオン」、“今年のワインビストロ”には「ル・グリフォニエ」が選ばれた。
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加納 雪乃 Yukino Kano
フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。
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