2016.1.18 update
vol.94
『ガレット・デ・ロワ コンクール』今年のベスト・オブ・ガレット・デ・ロワは??
1月5日、第28回となるパリ&パリ周辺県ガレット・デ・ロワコンクールが開催された。
この時期には、雑誌や新聞も“今年の注目ガレット・デ・ロワ”などでベスト・オブ・ガレット・デ・ロワを発表したりするが、このコンクールは規模が大きくとりわけ注目を集めている。
参加できるのは、パリとパリ周辺県のブーランジュリー・パティスリー商工会議所の会員となっている店。今年コンクール会場に持ち込まれたガレット・デ・ロワは過去最高の378個。オーナー部門、従業員部門、見習い部門の部門ごとに、上位入賞者が表彰される。
審査対象のガレット・デ・ロワの規定は、以下のとおり。
・直径30センチ
・フィユタージュ生地で模様は自由(ただし、店で販売可能なもの)
・生地の縁にピチヴィエ風に模様をつけてもOK
・中のクリームはアーモンドクリームベース。アーモンドクリームのみでも、アーモンドクリームとカスタードクリームを合わせたフランジパーヌ(ガレット・デ・ロワの定番クリームはこのフランジパーヌ)でも。
378個のガレット・デ・ロワを審査するのは、100人ほどの審査員。食関連のMOF(フランス最優秀職人)タイトル保持者、過去の優勝者、ジャーナリスト、粉やバターなど食材メーカー関係者、商工会議所メンバーなど。
一人あたり約40個のガレット・デ・ロワ、一つのガレット・デ・ロワにつき約10人が審査をし、100点満点で審査される。審査項目は、見た目、焼き、フィユタージュ生地、アーモンドクリーム、生地とクリームのバランスの5項目で各20点。
フィユタージュ生地とアーモンドクリーム、もしくはフランジパーヌという、ごくシンプルな構成だが、シンプルなだけに味のよしあしが非常によくわかるお菓子。
フィユタージュ生地は、たっぷりバターを使って高く軽く膨らんだものから、“ガレット(丸くて平たいもの)”の名がぴったりの薄めのものまで。クリームは、香料やラムなどで香りをつけたものも多く、中にはアーモンドエッセンスのにおいが強く辟易するようなものも。フィユタージュよりバリエーションがある分、クリームの方が美味しさの差がつきやすかった。
表面のデコレーションは、王道のソレイユ(太陽)模様が最多。綺麗なカーブを保ったまま一周分の模様を描くのはなかなか難しく、腕の見せ所だ。イラストを描いた模様や、金粉を散らして輝きをつけたものなど変化球も目立っていた。
翌日夜に表彰式が開催。今年のパトロン部門の上位者は以下のとおり。
1位:Sylvain Jourbert 2 avenue de Verdun 95150 Taverny
2位:Didier Duchesne 38 rue J.P. Timbaud 75011 Paris
3位:Raoul Maeder 158 bd Berthier 75017 Paris
4位:Pascal Barillon 6 rue des Abbesses 75018 Paris
5位:Reynald Gilbert 101 av du General de Gaulle 78300 Poissy
毎年、日本のガレット・デ・ロワコンクール優勝者もゲスト参加をしていて、今年は濱田舟志氏が15位に入った。