2014.8.18 update
vol.77
新感覚の高級クレープに変身!郷土料理“パスカード”
パスカードは、フランス中央部オーヴェルニュ地方の伝統料理。小麦粉、卵、牛乳をベースにしてオーブンで焼いた厚焼きクレープのようなもので、ハーブやジャガイモ、ハムなどを混ぜて焼くこともある、この地方に伝わる郷土料理だ。このパスカードをモダンにテイストする店がパリにある。その名も「パスカード」だ。
仕掛人は、アレクサンドル・ブルダス。北海道の名レストラン「ミシェル・ブラス」のシェフを経て、フランス北部ノルマンディ地方のオンフルールで「サ・カ・ナ」をオープンし、ミシュラン2つ星を獲得している実力派料理人だ。ブルダス氏はオーヴェルニュ地方出身で、パスカードは子供の頃に食べた懐かしい味。「サ・カ・ナ」では、外はかりかり中はふんわりさっくりに焼きあげた熱々のパスカードにトリュフオイルをかけ回したものをアミューズ(突き出し)に出していて、人気を博している。
そんなパスカードにフォーカスしたのがパリの「パスカード」だ。メニューには料理パスカードとデザートパスカードがそれぞれ4〜5種ずつ並ぶ。料理系は、シンプルに焼いたパスカードを器に見立て、その中に、牛のカルパッチョ&サラダ&ワカモレ、鶏&キャベツ&タマネギといった料理を乗せたもの。デザート系は、アプリコットのヴァニラ煮&モモのムース&アーモンド、イチゴ&生クリームなど。いずれも星付きシェフらしい食材を吟味した本格的な仕立てで、クレープのようなカジュアルあさとレストランの美味しさを見事に融合させている。
この春から、毎月1人、ブルダスの料理人仲間や友人生産者を招いて、ひと月限りのスペシャル味も登場。この7月は南西部のアルマニャック生産者マルク・ダローズによる、サバ&べーコン&ピーマン&トマト&タマネギ&バスク地方の羊チーズを取り合わせた料理系パスカードが登場している。
郷土料理を新感覚の高級クレープ店のイメージで楽しめる「パスカード」。オペラ座からすぐそば、昼から夜までノンストップで開いているので、観光の合間にふらりと立ち寄れる便利で美味しいスポットだ。