Paris Report パリのグルメ情報満載 パリレポート

2014.2.17 update

vol.71
パリのスペイン食材店
「レ・グラン・デスパーニュ」

フランスの食文化を専門とする、パリ在住のフリーのライター兼コーディネーター。インターネットでフランスのレストランについての情報を発信し、レストラン選択のアドヴァイスなどを提供。

良質な食材店が軒を連ねるパリ。フランス産食材にフォーカスした店はもちろん、イタリア食材店も多いし、日本食材店も大人気だ。でも、あれ?そういえば、イタリア同様に美味しい隣国スペインの食材店があまりない。
そんな状況を憂いだ、仏西ハーフのホセ=ルイス・ビルバオ。「イタリア人は、自国へのプライドが高くて、わが国が一番!という意識の元、イタリア食を世界中に輸出した。でも我々スペイン人は、せっかくよい食材があるのに、どうせスペインなんてフランスやイタリアに敵わないよ、、、という消極的意識がある。そのため、よい食材をなかなかPRできないんだ」。というホセ=ルイス。

 パリのスペイン食材店
「レ・グラン・デスパーニュ」 イメージ1

パリではなかなかいいスペイン食材、特にイベリコハムが見つからない。スペインに行く度に、美味しいイベリコハムをたくさんパリに持ち帰っていたが、そのよさをパリジャンに知らせたい、という思いが募り、銀行マンをやめて、2013年9月、食材店「レ・グラン・デスパーニュ」をオープンさせた。
シックな雰囲気のこぢんまりとした店。ここは、最高級のイベリコハムをウリにする店。その価値に相応しい内装にしたかった、と、ホセ=ルイス。

 パリのスペイン食材店
「レ・グラン・デスパーニュ」 イメージ2
 パリのスペイン食材店
「レ・グラン・デスパーニュ」 イメージ2

イベリコハムにはいくつかのレベルがあるが、純血イベリコ豚で、ドングリ(ベジョータ)を食べで育つ豚で作るハムは、パタネグラと呼ばれ、最高の価値を誇る。このパナネグラを扱うメーカーは実は少なく、多くのメーカーが、より廉価な50%イベリコ豚(純血イベリコ豚とその他の豚のハーフ)や75%イベリコ豚(純血イベリコ豚と50%イベリコ豚のハーフ)を利用している。100%イベリコ豚から作られるパタネグラを扱うメーカーは、8社くらいしかないのだそうだ。
「レ・グラン・デスパーニュ」では、極上のパタネグラを作る3社と取引をしている。このハムは、いわば、ハム界の宝石。それにふさわしく、パッケージも、絹のスカーフを包むかのように、薄紙に包んだ後にボックスに入れてリボンをかけ、高価なプレゼントのイメージに。食材の質に相応しいパッケージにこだわった。

目玉商品はもちろん、腿肉から作られるハム。他に、肩肉ハムのパレッタ、ロースの腸詰ロモ、肩ロースの腸詰ロミート、そしてチョリソもあり、いずれも、純血イベリコ豚ならではの極上の味わいを楽しめる。
真空パックのテイクアウトのほか、その場でカットしたハムのサンドウィッチも。丸ごとのハムを、薄いナイフを器用に使ってカットするのは、ノエ。彼は、ハムカットのギネス記録を持つ逸材。彼の、ハムカット技術を見るのも一興だ。
イベリコ豚商品のほか、ワインやチーズ、乾物など、選りすぐりのスペイン食材も。
スペインの美味しさを堪能できる、宝石箱のような小さくて美しい空間だ。

 パリのスペイン食材店
「レ・グラン・デスパーニュ」 イメージ4
Infomation レポートに出てきたお店などを紹介します
Les Grands d’Espagne
44-47 passage des Panoramas 75002 Paris
10h-19h
日休
http://lesgrandsdespagne.fr/
※新規ウィンドウが開きます

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