2013.7.16 update
vol.64
パリで話題の
ロブスター・ロール
アメリカン・ストリート・フードが大注目を集めているパリ。少し前にハンバーガーがパリで大流行中という話をしたが、流行はどんどん進化中。バーガーの人気は不動だが、1~2年前からホットドックも注目の的。そしてパリでは今、ロブスター・ロールが存在感を示しつつある。北アメリカ東海岸のストリートフードとして人気が高い、ロブスター入りのサンドウィッチ、ロブスター・ロール。これを、フランスが誇るオマール(フランス語でロブスターの意味)を使って提供しようじゃないか、という店が登場し始めたのだ。
注目は、4月にオープンしたばかりのその名も「ロブスター・バー」。パリではじめてのアメリカン・ストリート・フードに特化したレストランだ。
パン・オ・レを軽く焼いた中に、ブルターニュ産オマールを豪快に贅沢に詰め込んだ“ロブスター・ロール”。サラダとフライドポテトを添えてサービスされる。ロブスター・ロールだけでなく、ロブスターの殻をつぶしてじっくり時間をかけて煮込んだ、濃厚でコクのある“ビスク”も味わえ、オマール尽くしの食事を楽しめる。
フランス料理界の重鎮アラン・デュカスも、このアメリカ生まれのストリートフードに注目。パリで展開する魚料理専門店「レッシュ」では、6月26日~7月27日限定で、“レッシュン・ロール”という名のロブスター・ロールを提案する。
イングリッシュマフィン風に焼き上げた自家製パンに、極上のオマールをたっぷり。黒皮ダイコンとスパイスを効かせたマンゴーと一緒にサンドして、マヨネーズソースにはオマールの殻から取った香り高いソースを加え、ライムとエスペレット唐辛子を利かせたまさにガストロノミーなロブスター・ロール。フライドポテトの代わりに、フライドポテトの形にカットしたフレッシュマンゴーとシャキシャキレタスが添えられ、ヘルシーさも意識。贅沢で個性的な、好奇心をくすぐられるロブスター・ロール・プレートだ。テイクアウトもできる。
人気のトレトゥール(惣菜店)&エピスリー(食材店)&レストランの「ジャンヌA」。姉妹店「ジャンヌB」がこの春モンマルトルの丘の中腹にオープンしたが、ここではクロック・ムッシュならぬ“クロック・オマール”が楽しめる。 チーズを乗せて軽くトーストしたパン・ド・ミの上に、やわらかなポワローネギとたっぷりのオマール。ちょっとスパイシーなソースが食欲をそそる。フレッシュな野菜サラダをたっぷり添えて、一皿で十分お腹が満足できるクロックだ。
料理では、ハンバーガー、ホットドック、そしてロブスター・ロール。お菓子では、カップケーキやチーズケーキ。アメリカのカジュアルフード&スイーツの波がかつてないほど浸透しているパリ。今後、どんなアメリカンテイストが注目されるのか楽しみだ。